断捨離していくうちに、ある思い出の品を発掘した。
数年前に、ツイッターで知り合い、リアルで遊ぶことになった人と巡り集めた七福神の御朱印の色紙。
御朱印の色紙などというありがたいものをクローゼットに埋もれさせたことを反省しつつ(飾りました)その人のことを思い出す。
とってもフレンドリーな人だった。まだツイッターで絡んでいる段階で、旅行の誘いをしてきたり。だからリアルで遊ぶことに抵抗は皆無だった。
彼女は起業が目標で意識が高い。それはいいんだけど、その割には待ち合わせ時間に「今起きました」メールが来たりだとか、ツイッターを見てる限り日夜パーティ三昧だったりとか、意識の高さと言動が一致していない印象を抱いた。
そして「面白い小説ですよ」と自己啓発本を勧められた時点で、私はピンとくるべきだったのだ。
とにかく、遊んだ日。待ち合わせから1時間半後に彼女は到着し、まあ楽しく遊び、お昼を食べよう、となった。
で、彼女は言い放ったのだ。「くにさんみたいな小説家志望の人脈は今までいなかったから嬉しい!」
ああ、そうか、人脈かぁ……とテンションが駄々下りした。それは心の中に密かにとっておくべき感情だったと思う。私は友達でなく人脈にすぎなかったのだ。
そして追い討ちをかけるかのように「なんちゃらマネージャーの講演、一緒に行こうよ!いつもいってるんだけど、なんちゃらマネージャーは100万かけて得た知識を私たちには特別に一回500円でレクチャーしてくれるの!」
これ絶対やばいやつ。本人は勧誘という感じでなく、本当になんちゃらマネージャーの講演をいいと思ったから友達、ちがった、人脈に情報提供しているのだ。
田舎住みだから終電を理由に断ったら、昼の会を勧められてやや強引に参加ね!と。
もちろん、その昼の会には行かず、彼女のツイッターと、交換したばかりだったラインをブロックした。
でも、あえて人脈と言われてテンション下げてくれたのはよかったかも。友達だ、と言われてたらもしかしたらだけどなんちゃらマネージャーの昼の会に行く気になった可能性がある。
まあ、これを機に、程よくよく知らない人への警戒心を身につけた。ホイホイ会っちゃダメだね。