友人から借りていた『東京すみっこごはん』全?三巻を読了しました。
ざっくりあらすじ
東京の小さな商店街にある昭和な家屋『すみっこごはん』「※素人が作るのでまずいときもあります」と看板に書かれたその家は、その日集まった人々でくじ引きをして、当たった人の作ったご飯をみんなで食べる共同台所です。
そこに集まる人々の色々な事情の短編連作。いじめや結婚できないなど、シリアスな要素も含まれますが、大体のちにスカッとする要素があるといいますか、暗い気持ちにはなりません。なにより、ごはんの描写が毎回とても美味しそうで、お腹が空きます。深夜に読んじゃダメだねこれ。
感想
だいたいスカッとすると言いましたが、時には少し消化不良を感じてしまうエピソードもありました。ご飯だけに。
それと、女性は家庭をもつのが幸せ、とか、子供は大自然で遊ぶのがなにより幸せ、とか、思想がちょっと昔っぽいなと思うところがありました。
でも、とても面白かった。一巻は最後の方で、すみっこごはんの正体をみんなで調べたり、二巻は都市開発からすみっこごはんを守る、そのためにすみっこごはんを売ろうとしている人物を突き止める、などワクワクの展開。
ほとんど毎回どんでん返しがあって、おお!となりました。あと、すみっこごはんに来る人が、だいたい「行かなければよかったかも」と一度は思うんだけどついまた行っちゃう、なんて心の揺れにリアリティを感じました。
エンタメを読んだのは久々で、楽しめました。友達にかわりに貸したのが毛色が違いすぎるので(中村文則の『銃』と村田沙耶香の『コンビニ人間』)大丈夫かなぁと思ってる。自分が選ばないようなものを読めるのが貸し借りの醍醐味ですよね。お互いに。