実は万年筆を持っている。2万円くらいの安物だけど。3年位前に銀座で買ったものだ。
何も文豪ぶりたくて買ったわけじゃなく、当時の私はスラスラ書けるペンが必要不可欠だった。
当時は自覚がなく、今にして思えばバカだよねえという感じなのだが、その時の職場でパワハラを受けていた。
で、毎日毎日何かしらの始末書を書かされていたんですよ。たとえば「ファミレスで皆ステーキを頼んだのに一人だけラーメンを頼んだ協調性のなさについての始末書」とか。
冗談みたいでしょ?冗談じゃないんだよなぁ……これ小説のネタにしてやりましたよ。今にしてはそうせざるを得ない。まぁ、こんな始末書を毎日。
で、それがパソコンでの作成禁止、鉛筆及びシャープペンも禁止。しかし働いて帰宅して、下書きしてボールペンでなぞるのはとてもしんどい。下書きしないにしても、ボールペンでだーっと書くのはしんどい。なので万年筆を買ったわけです。
その職場、辞めてからも色々心を蝕んでくれてね。トラウマってやつですね。せっかく買った万年筆だけど、当時を思い出すから封印してしまったんですよ。
そして今。作詩や小説教室でのメモなど、だーっとノートに書く機会が増えてきた。
ボールペンでやっていたんだけど、部屋の整理をしていたら陶芸の先生がくれたペン立てが出てきて、ふと万年筆のことを思い出したわけです。
カバンに常に入れて持ち運んでいたけど存在忘れてた万年筆。中身のインクは乾いていて、しかし替のカートリッジも無事見つかり、インクを補充。
万年筆、復活です。これから大事にしていきたい。当時の職場がちょっとチラつくけど、なんだかもう大丈夫。もう大丈夫と思うのに、3年かかったのかぁ。