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これから推敲する小説を、奇数章と偶数章で別の視点にして膨らませることを思いつき、その勉強で村上春樹の『海辺のカフカ』を読み返そうと思っている。

海辺のカフカ、個人的には春樹の作品で一番好きである。春樹はわりとこう、ぽんと放り出して終わらせちゃう人という感覚があったけど、海辺のカフカはしっくりくる感じで終わった。

単に春樹作品をいくつか読み、慣れたから、そう感じたのかもしれない。私の初春樹は『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』だったんだけど、衝撃だった。ええ!?そこで終わる!?謎解きは!?ないの!?って。

これは……と思ってしばらく春樹には手が伸びなかったんだけど、何かのきっかけで僕と鼠三部作読んだら、あら面白い、と。

あとは何読んだっけ。『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』が飛び抜けて面白かった記憶がある。

この時点で、春樹が謎を各自で解くことを委ねる人、それも社会の暗部とでもいうのか、そういったようなことを考えさせる人、という感じの認識になった。

だから『ノルウェイの森』という大ヒット作に対しては「なんか春樹っぽくないな」と失礼な感想を抱いた。謎解きないから。100%の恋愛小説とうたわれるのはそういうことなんだろうと。

あと、春樹は飛び抜けて日本語がうまいので、エッセイも面白い。というか、春樹アレルギーのある人はエッセイ読むといいと思う。たぶん。

ここまでで春樹春樹と言ってきたが、母から「春樹って呼ぶのキモい」って言われた時は衝撃を受けた。村上龍との差別として下の名前を使ってるという認識で、私は別にハルキストというわけではないからだ。

私「じゃあなに?春樹さん?」母「村上春樹でいいんじゃん」というなんかしょっぱい会話をした。

ともかく、海辺のカフカを早いこと再読したいのだけど、借りてる本もいっぱいあるし、勉強もしたいし、いつになることやら。今書いてるのはなんとか3月末の賞に出したい。

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