昨日、弟がお世話になっている芸術家の個展に、母と弟と3人で顔を出した。
石で作品をつくるアーティストなので、弟はそれを触らせてもらって鑑賞した。
うちの弟は生まれつき全盲なので「手で見る」という感じ。何か調べたいものは手で触るのが、本人としても家族としても普通のことである。
そこへ、ハンチング帽を被った紳士風のおじさんが近づいてきた。普通に作品を鑑賞していたようだけど、弟に気づくと母を見て「目が見えないのか?」と。
失礼な。せめて「こんにちは」くらいの前置きをしてくれ。それだけで全然印象としては違う。
でも、母がにこやかに「はい。手で見ているんですよ」と答えると、哀れそうな目線でじっと見つめてきて、去っていった。
たぶんおじさんに悪意はない。たまにこういう人に遭遇するけど、みんながみんな悪人ではないと思う。出し抜けに「かわいそうにな」と言われたこともある。
あのおじさんにはそんなに苛立たなかったけれど、でも個人的に「かわいそう」というワードは相手を下に見ていて失礼だと思っているので(その割に自分も普通に使っちゃうから不思議である)なんか、うーん。
弟が全く気にしてないから、私も受け流そうと思っているんだけど、ちょっと思い出しムカムカしちゃうね。