と、思うことがよくある。
最初は、単に書いたものを人に見せるのが恥ずかしいのだと思っていた。だから一時期はネットの投稿サイトで遊んだりもしたけれど、それを除けば、今に至るまで、ほとんど自作をお披露目したことはない。
しかし、単に見せるのが恥ずかしいのではなく、小説を書いていることを知られるのも恥ずかしいと気づいた。
いいのか悪いのか、私の親族が「デビューしてないとしても、日常的に書いているのなら立派な作家」認定をしていて、私のことを人に紹介するとき「小説家」ということが多い。
マジでやめてほしくて、マジでやめてくださいと言うと、なんでよ?と。作家として誇らしくあれと。それでもなんだか恥ずかしくて。
たぶん、もし自分が職業作家になれたとしても、よほどのことがない限り、自分で作家ですとは名乗りはしないだろう。
なんだろうなこの恥ずかしさ、と思っていたら、その感情がある日ポンと腑に落ちてしまった。
小説教室の話だ。ある生徒さんが、友達が小説家と知って尊敬の念を抱く(個人が特定できないよう変えてあります)のような展開を書いたのに対し、
先生が「あのねぇ、小説書くって一般的に見ると恥ずべき行為なんだよ」と。
恥ずべき行為。まさにだ。
誰だったか忘れてしまったけれど「アマチュアが誰に頼まれたわけでもないのに、勝手に何百枚と原稿用紙を消費して書くなんてもはや狂人である」と言ってた人もいた。
この人は前後の流れを見るとアマチュアをディスっているわけではなく、単に見たままを述べているに過ぎないのだ。
恥ずべき狂人。なんという。しかし私はこれからも狂気マシマシで突っ走ろうと思う。だって恥だろうが狂人だろうが書いていたいのだ。