ざっくりあらすじ
どこか希薄な女性、冬子。自分の誕生日の真夜中を散歩することを楽しみに生きている。
フリーランスの校閲者になった冬子は、仕事を回してくれる聖と友達のような関係を築く。
次第に酒に溺れていく冬子だったが、ある日行ってみた新宿のカルチャーセンターで、壮年の男性三束さんと出会いを果たす。
感想
あらすじ考えるの難しかった。
物語性がどうこうという話ではないと思う。そういう意味では生粋の純文学かな。
本屋さんで、このポップに惹かれて購入。
そう、この世界観と雰囲気ですよ。なんとも美しく心地がいい。読み手の孤独に寄り添うような。
あと、出てくる女性たちに共感する。深く共感するわけじゃなくて、ところどころわかるなぁって感じがリアル。
冬子も「希薄な女性」と書いたけど、他にもっと適切な言葉があると思う。そんな風に、一言では片付けられない登場人物たち。
なんでもハッキリ言っちゃう聖に反発と共感を同時に覚える。恭子(冬子に聖を紹介してくれた人)にあの子友達いないのよ的なことを言われているのも、だろうなぁって感じ。
リアリティがあるけれども幻想的で心地よい。不思議な小説でした。
どうしたらあんな表現の言葉が出てくるんだろうか。